汚い言葉と汚い人
「このハゲー!」「ちがうだろォー。ちがうだろ!」が連日テレビで流されて、もうサンシャイン池崎の「イェー!」よりも先に飽き飽きしているのに、一週間後に新たな録音を小出しにしてきて、まだしばらくこの話題がつづくのか思うとウンザリします。
テレビの電源を入れた途端に、この絶叫が聞こえてきたりすると、一日イヤな気分にさせられるので、テレビを点けるのさえ怖くなります。
暴言の主である豊田議員は、自民党を離党したけれど議員は辞職せずにしがみつこうとしていますが、もう国会議員としても人としても認められないでしょうから、再起不能だと思います。表を歩けば晒し者でしょうから、生活もままならない状況ではないでしょうか。本人はいっこうに反省もしていなければ、恥ずかしくもないという可能性もありますから、今日も辺りに当たり散らしているかもしれません。
けれども、こんな人は豊田議員に限らず、部下や後輩を罵ってストレスを発散したり、弱い者を見下して優越感を得て満足する下品で卑劣な人なんて、世の中には掃いて捨てるほどいます。優しくて聡明で頼りになる立派な大人を探すより、ずっと楽です。知らない街でコンビニを見つけるよりもたやすいと思います。
パワハラを受けて自殺した社員に、そんなことで死ぬほうがわるいと言う年寄りがたくさんいます。怒鳴られて、いじめられる側にも非があるようなことを、平気で言う老人は多いです。
かつて、上司は威張っていて部下を叱責していれば済む時代があったので、いまでもそれがあたりまえだと、学習能力がなく成長しない世代は言い張ります。こういう人は、自分がやっていたことを正当化したいだけで、なんの道理もありませんから、指摘したらキレて怒るはずです。
以前は核実験もミサイル実験もみんなやっていたのだから、遅ればせながら自分たちがやって、なにがわるいと言っているようなものです。
この録音をした秘書さんが仕事でミスをしがちで、人をイライラさせるタイプだということは一目瞭然なのですが。だからといって、道や宛名をまちがえたことで蹴ったり殴ったり、ネチネチと嫌味を言うことはありません。
責任をとらない上司なんていりませんし、失敗は指摘するだけじではなく、正してあげないといけません。
しかし、こういう人に限って、誰でもするような些細なミスを全力で攻撃します。自分がミスしても問題にも話題にもしないし、触れられたら逆ギレするだけなので、誰も教えなくなるうえに自分の愚かさにも一生気づきません。
それはともかく気になるのは、豊田議員が怒鳴っているように、この秘書はほんとうにハゲているのかということです。
事実ハゲていれば、目につく特徴を大声で呼んだだけで、もしかしたらニックネームなのかもしれません。ならば、豊田議員に「このブス」と言うのとおなじことですが、もしハゲていないのにハゲと罵倒したのなら、ハゲはわるいことダメなことの代名詞として使われたことになります。デブをブタ呼ばわりしたり、グズでノロマなカメと言うようなものです。肌の色がちがうとか、背が高いとか低いとか、指の数が足りないとか、メクラだオシだツンボだと、身体的特徴を揶揄するほど卑しい行為はありません。
ブタやカメは反論しませんし、気づいてもいないかもしれませんが、これを聞いたハゲの人は「ハゲのなにがわるいんだ」と怒っても良いくらいです。
でも、ハゲてる人の中にもハゲはイヤだという人もいるのかもしれません。
デブやチビやグズは隠せないけれど、ハゲは巧妙に隠していたりしますから。
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